『クラッシュ・バンディクー』や『ジャック×ダクスター』など、プレステ各世代黎明期のアクションゲームを支えてきた開発スタジオ"ノーティドッグ"の最新作。
前作は、謎の寄生菌により崩壊を迎えたアメリカ大陸を横断する骨太なストーリーとサバイバルアクションに唸らされたわけだが、今作は7年ぶりとなる待望の完全続編。
クリアしてみて、まずアクションゲームとしては現時点で間違いなく最高峰の出来だと思った。PS4のマシンパワーを最大限に活かしたグラフィックの美麗さはもとより、荒廃しきったシアトルを探索する楽しさであったり、ステルスから特攻スタイルまでより多彩さが増した戦闘だったりと、作り込みの拘りはかなり感じた。胞子が飛び交う廃墟を探索するのは手に汗握るほどドキドキ。『アンチャーテッド』シリーズのノウハウもバッチリ引き継がれており、時には大迫力のアクションパートもある。
ただ、今作のストーリーは非常にヘビーでかつショッキングな内容であり、終始地獄のような復讐劇が展開される。復讐をテーマにすること自体否定するつもりはないが、前作から続投のエリーを操作していたと思ったら、中盤以降は復讐相手となるアビーをプレイアブルキャラとして操作する羽目になるのはなかなかエグかった。そうすることで双方に感情移入させ、ラストのあの一幕を強烈に印象付けるものにしていたと思う。
とはいえ、こんな陰惨なストーリーなら、ストーリーにもっと干渉させてほしかったなとも思う。映画だったら傍観者となるのでそのまま受け取るしかないけど、これはゲームなんだし、キャラクターを操作する当事者として少しでも展開や結末を変えられたらよかったのに！という気持ちに。（まあ確かに一本道のストーリーに合うようなゲーム設計ではあるが。）
そもそも、ゲーム進行上感染者だけでなく多くの生身の人間を殺すことが避けられないそんな倫理観で、復讐も何も・・・という感じはする。まあしょうがない部分はあるんだけど。
かと言って、今作はポストアポカリプスを根強く打ち出しているので、仮にこんな陰惨な話じゃなく王道ストーリーをやると、同じく去年SIEから出た『Days Gone』と丸被りする可能性もあるのでこれまた難しい。
色々言ったけど、3年前の回想シーンでエリーとジョエルが博物館に行くところはとても良かった。このストーリーだからこそ成立したシーンなので。
いっそのこと、最初のジャクソンの街を拠点に、各所をパトロールして感染者を掃討したり動物を狩猟したりするオープンワールドゲーチックなパートがあったらまた違っていたのかも・・・って、これじゃあ『レッド・デッド・リデンプション2』と同じになるからダメか。
