サクラ大戦シリーズの完全新作『新サクラ大戦』を振り返ってみる。
本来なら、往年の名作シリーズに新風を吹き込む、新たな時代のサクラ大戦になるべきところだったが、クリアした後は何というか空虚な気持ちに支配された。単刀直入に言ってバトルパートもアドベンチャーパートも面白くなかった。こんな、どっちも壊滅的ってことあります?
肝心のストーリーは、各ヒロインの言ってることが二転三転したり、なんか全体的に情緒不安定だったりと、キャラクターへの感情移入が激ムズになっており、お世辞にも熱い物語とは言えなかった。浪漫の嵐のろの字もないと思う。そもそも今作の主人公には全く愛着が湧かない。アドベンチャーパートでヒロイン達とイチャつけるのはそういう欠点を忘れさせるためのカモフラージュだったのか?とまで思えてくる。
バトルパートは過去作から一新され、アクションゲームに。ただ、これが致命的に楽しくなく、無双シリーズを限りなく劣化させ、辛うじて僅かばかりの爽快感だけ残したみたいな作り。基本ボタン連打なので戦闘での駆け引きは皆無。まずロックオン機能が非搭載とはどういうことだろう(なのに飛んでる敵は出てくる)。
機体のカスタマイズ要素もないので、毎回何のために戦場に赴くのかイマイチわからない。前述の粗雑なアクションのおかげで、最終決戦なんて、どんなゲームでも1番アツくしなければならない部分なのに、ただコントローラーを握り手を動かしているだけの虚無的な作業と化しており何も響かなかった。
・・・ところで、各章の終わりでしかセーブ実行できないのは昨今のゲームとしてどうなんだ。
というか最低限のルールとして、伏線を残しまくった状態で"完"の文字を出してはいけないでしょ。あと、不自然にボイスが途切れる(=フルボイスじゃない)のもクオリティを疑うものだった。ほんとは録ってあるのに入れておらず、あとから完全版で・・・と邪推されてもセガは文句を言えないのでは?
舞台やらアニメやら、メディアミックス展開を早くから敢行している点に関しては面の皮が厚いという意味で評価できると思う。