去年の11月くらいに購入してぼちぼち進めていた「DUNAMIS15」、昨日遂に全クリアしました。ゲームの発売自体は遡ることもう2011年のことになりますが……。
せっかくクリアしたので、ネタバレしない範囲で簡単に感想を綴っていきたいと思う。
なお、トロフィーコンプ後にデータを確認してみたところ総プレイ時間は23時間だった。
さて、"サスペンス・フィクションADV"と銘打つだけあって、世界観やテーマ設定はなかなか重厚なものになっていた気がする。先に言ってしまえば、最近では珍しくないループ系のADVゲームなんだけど、今作の場合、そのギミックに力を入れているというよりも、それぞれの登場人物の心理描写にこだわっていたかと。
全5章構成で、章ごとに登場人物の視点が切り替わる仕組みが面白かった。これにより、この子はあの時こういう振る舞いをしていたけど実は……なんていうキャラクターの内面と外面の違いを垣間見ることができたので、分岐無しの一本道でも退屈しなかった。
また、テーマが割りと深いということを踏まえても、リドル・ストーリーにしなかったのは正解だと思う。死生観・倫理観を問うような、考えさせられる物語ではあるが、「過去の過ちを悔いてやり直したいと思うよりは、もっと今を生きることを楽しんだ方が絶対いいよね!」という風になんとなく反芻してました。
他のループ系ADVのように、緻密な伏線回収がされたり、大どんでん返しがあったりするわけではないけれど、各々の視点から徐々に真相が明らかになっていく作りには惹きつけられたし、どんどん先に進めたくなるような文章・演出も良かったと思う。自我が崩壊していく描写とか本当に狂気を感じたし。
キャスト陣の演技も迫力のあるもので、思わず台詞に聞き入ってしまうことが多かった。しかも、東地宏樹さんや島本須美さんといったそうそうたる面々で恐れ入った。この手のゲームに出演されるのは珍しいんじゃないかと。
そして音楽もゲームを盛り上げるのに一役買う素晴らしいものばかりで、流石は5pb.と言ったところだ。業界屈指のコンポーザーがいることは間違いない。
というわけで、この「DUNAMIS15」はキャラクターのことをどれだけ知り、どれだけ彼らに感情移入できるかにかかっているなと思った。ちなみに、個人的には仁和菓ちゃんが一番好きですが、クリア後はなぜか妹尾梓さんもいいなあとか思うようになってしまった。マゾかもしれません。
最後に、この記事を読んで「DUNAMIS15やってみよう!」と決心したならば、どうかクリアするまで公式サイトやパッケージ裏(明らかなネタバレワードおよびネタバレイベントCGが載っちゃってます)に一切目を通すことなく、予備知識なしの状態でプレイに臨むとより一層お楽しみ頂けるのではないかと思うので、参考までにどうぞ。
それにしても菓ちゃん、意外とパイオツカイデーですな。