昨年の年間マイベストアルバム10枚をまとめてみる。
2016年リリースの作品の中から選別してみた。
1. 醒めない / スピッツ
スピッツの3年ぶりのアルバム。ロックに対する情熱がたっぷりと注がれており、聴いているこちらとしてもどこまでもスピッツについていきます!という気持ちが高まる。改めてスピッツはアルバムで聴かせてくれるバンドだと思った。「醒めない」で始まって「こんにちは」で終わるセンスはスピッツにしかない。
ライブにも足を運んだし、2016年はスピッツの年と言っても過言ではなかった。前に書いたディスクレビューは以下に。
2. 琥珀色の街、上海蟹の朝 / くるり
6曲収録EP盤だが、とにかく表題曲にやられた。「琥珀色の街、上海蟹の朝」ってどんなタイトルだよ!と密かに思いつつも、初めて耳にしたときの衝撃は大きかった。くるりの引き出しの多さに脱帽。≪プレデター≫と≪クーデター≫で韻を踏むところとかもうズルイ。2016年最も口ずさんだ曲かも。極上のくるり流アンセム。
3. ショー・チューン / フレンズ
5曲収録のミニアルバム。「夜にダンス」で一気にハマってしまった。聴いているだけで目の前にダンスフロアが広がるようなアンセム。渋谷系ならぬ"神泉系"を謳う彼らのサウンドは何度聴いても飽きがこない。
「Love,ya!」は男女の絶妙な距離感が音に乗っていてワクワクする。「とけないよ」はファルセット含めて良い。「tonight」の打ち込み、「DIVER」の浮遊感も好き。というか5曲全部好きだ。
全曲通してベースラインが心地良いというのも魅力の一つ。the telephonesの長島さんがやっているだけある。Vo.おかもとえみさんのR&Bを彷彿とさせる歌声もソウルフルで癖になる(ソロでリリースした「POOL」もハイレゾで購入して聴いたがとても良かった)。2017年も目が離せないバンド。
4. CALL / スカート
一度再生し始めたら飛ばせる曲が一切ないってくらい全部良い曲。果てしなくポップだが、そのときの気分次第ではきっと儚いものに聴こえるのだろう。1曲につき3分程度、12曲で40分弱という収録時間もアルバムの味を上手に引き立てている。
敢えて好きな曲を挙げるならば「アンダーカレント」とか。
最後まで聴き終わった後の、どこか知らない世界に行って戻って来たかのような感覚がまた一興である。
5. Dr.Izzy / UNISON SQUARE GARDEN
「シュガーソングとビターステップ」のスマッシュヒットがユニゾン自身のハードルを上げてしまったかに思えたが、最早そのシングルを霞ませるくらいの気概で音を鳴らし、アルバムとして集約した傑作。
全体的な力加減がちょうど良い。いつも通りのユニゾン節だけど確実に進化したロックサウンドが詰まっている。「mix juiceのいうとおり」の≪一聴ではわからないならそれこそが贅沢な暇つぶしって思いはしないかしら≫という歌詞は音楽が好きだということがダイレクトに伝わってきて好き。
6. DANCE TO YOU / サニーデイ・サービス
夏の香りを感じさせながら独特のテンポで駆け抜けていく9曲入りポップアルバム。
綺麗にまとまってはいるのだけども、どの曲もしっかりと印象に残るくらいよく出来ている。聴けば聴くほど味わいが出てくる。「苺畑でつかまえて」が淡くて刹那のようなひと夏の思い出って感じがして好き。
7. 24K Magic / Bruno Mars
Bruno Marsの3rdアルバム。ソウルフルなナンバーが勢揃いで、聴いていると必ずノッてしまう。「24K Magic」のパーティ感で一気にハイにさせられて、そこからはもう図らずも彼の虜になってしまうような流れが巧みでニクい。
肩の力を抜いて聴ける(それでいて軽々しくない)上質な楽曲の数々に魅了されっぱなしである。
8. ソルファ(2016) / ASIAN KUNG-FU GENERATION
『ソルファ』というアルバムはリスナーもそうだが、何よりアジカン自身に大きな影響を与えた一枚だったと強く感じる。12年前のオリジナル盤を聴いていた人もそうでない人にも手に取ってほしい最高の再録盤。詳しくは以下のディスクレビューで。
9. all time Lovin' / 豊崎愛生
一枚のアルバムを真摯に作り上げたというのが聴いていてよく伝わってくる。
演奏も主張しすぎず、あくまでも豊崎さんのボーカルを引き立てるものになっている点も好印象。
アッパーなナンバーからほっこりさせてくれるバラードまで様々な表情が垣間見える。「恋するラヴレター」のハイテンションっぷりが良い。(多分前も書いたと思うが)「トマト」のありのままの私を見て!という想いのこもった歌詞が好き。
飾らない豊崎さんらしさ全開のアルバム。声優のアルバムはこうあるべきかもしれない。
10. 愛のゆくえ / きのこ帝国
「愛のゆくえ」で始まり「クライベイビー」で終わる流れが美しく、一曲一曲それぞれの"愛の物語"を紡いでいく構成がきのこ帝国っぽくはある。若干ポップに寄りかかった印象の前作『猫とアレルギー』より聴きやすくなった気がする。
全体的な温度感も心地良い。後半にかけて熱を帯びていくところにも深さを覗かせる。
以上、2016年マイベストアルバム10枚。今年もたくさん音楽を聴こう。