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約束のカタコンベ

春一番よりもセンセーション

ソルファ(2016) / ASIAN KUNG-FU GENERATION

結成20周年を迎えたASIAN KUNG-FU GENERATIONが、2004年リリースの自身最大ヒットアルバム『ソルファ』を全曲再録音した一枚。

 

ソルファ (2016)(初回生産限定盤)(DVD付)

 

アジカンの代表曲とも言える「リライト」や今年3月に先行シングルとして発売していた「Re:Re:」などのライブを彷彿とさせるアレンジ含め、2004年盤と比較して全体的に音の厚みが増しているのがまず良い(後者はシングル版とはまた違ったミックスになっているのでその点にも注目したい)。『Wonder Future』で培った力強い音像がそのまま継承され、より骨太な作品に仕上がっていると思う。

後藤氏のボーカルも元の『ソルファ』での粗削りな歌い方から打って変わり(それはそれで嫌いじゃない)、落ち着いていて聴きやすくなっている。とはいえ、決して大人しくなったわけでも叫ぶことをやめたわけではなく、12年を経て洗練されたシャウトが絶妙にハマっていると感じた。

 

曲順もオリジナルから若干変化しており、ラストトラックであった「ループ&ループ」が3曲目となり、代わりに「海岸通り」で締めるという構成になった。この最後にくる「海岸通り」が肝になっていて、ストリングス冴えわたるアレンジがまた沁みる。アルバムのフィナーレを飾る楽曲として相応しい。

改めて、「振動覚」から「リライト」に入る絶対的な流れや、「サイレン」が響いた後に迎える「Re:Re:」など、『ソルファ』がいかに完成度の高いアルバムであったかが分かって興味深い。

初回限定盤付属のDVDに関しても、貴重なレコーディングドキュメンタリーが収められていて見応えがあった。「真夜中と真昼の夢」の仮タイトルに驚いた。

 

真剣に『ソルファ』と向かい合った今のアジカンを体感できる珠玉の一枚であることは間違いない。年明けに参加する武道館ライブに向けてさらに聴き込んでいきたいと思う。