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約束のカタコンベ

通り過ぎた道はすでに 僕の中じゃどうでもいいこと

オデッサの階段-志倉千代丸の愛-

フジテレビ系列にて2012年10月から翌年3月まで約半年間放送していた「オデッサの階段」という番組が好きだった。放送日時は毎週木曜23:00-23:30*1

 

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毎回様々なヒトやモノにスポットを当て物語を紡いでいく。明日からの人生を豊かにするきっかけになる新しい形のドキュメンタリー。

 

らしい。ドキュメンタリーとしては珍しく、敢えて人物に密着する手法をとらず、その人の周りを掘り下げることで見えなかった部分を浮き彫りにしていく。

そのため、主役へのインタビューは最小限に留まっている。その人を取り巻く人たちの証言や、毎回のテーマにまつわるVTRが段階的に流れるのが基本的な構成である。

 

とにかくこの番組、白と黒を基調としたデザインであったり、「ダレッ・・・ダッ・・・ダレッ・・・」という妙に耳に残るsalyuのテーマ曲であったりと、全体的にお洒落なのが本当にツボだった。こういうのをバシッと地上波深夜で決めてくる辺りがフジテレビのニクいところである。ナレーションも小山力也さん、川澄綾子さんとどこかで見たような組み合わせで渋い。

 

特に好きな回が、科学アドベンチャーシリーズでお馴染み、MAGES.社長の志倉千代丸氏がゲストの第7回「志倉千代丸の愛」(2012年11月22日放送)。

"愛"という深いテーマとともに、志倉氏がどういう人物であるかを紐解いていく。実の兄である富士丸氏や音楽仲間のつんく♂さん、さらにはシュタインズ・ゲートの牧瀬紅莉栖役である声優の今井麻美さんまでVTR出演。

普通の番組だったら、科学アドベンチャーシリーズを生み出し、好奇心でなおも飽くなき挑戦を続ける・・・的な着地をしてそうだが、この番組では志倉氏が好きなのはまさに自分自身であり、"志倉千代丸の愛とはエゴである"と結論付けて終了。本人も番組ラストで「編集次第だな!」と嘆く始末。

熱心な人柄で、信頼も厚い・・・というフリからまるで世界線が変動したかのような演出はファンサービスなのか何なのか未だに分からないが、そっちかよ!という終わり方になって面白かった。構成も演出もお上手。

この回だけは大事に録画を保存した。なお、残念ながら現在番組はソフト化・配信等行われていない(YouTubeにてロングインタビュー版や地上波未公開のVTRなどは公式にアップロードされている)。CSでの再放送は要望すればイケそうではあるので観たい方は是非。

 

この番組でゲーム業界の人をもっと取り上げてほしかったので、何らかの形で復活してくれるものなら嬉しい。とりあえずフジテレビさん、またこういうクリエイティブな番組作ってください。

*1:ちなみに、2016年3月現在この枠では「アウト×デラックス」が放送されている。