今日9月9日はSMAPのデビュー25周年記念日ということで(グループの年内での解散は寂しい限りだが)、久しぶりにこの『世にも奇妙な物語 SMAPの特別編』のDVDを引っ張り出してきた。今観ても確かに面白い。
四半世紀近く続いているフジテレビの長寿オムニバスドラマ『世にも奇妙な物語』シリーズの中でもこの『SMAPの特別編』は屈指の出来であり、世にもファンもSMAPファンも十分唸らせることができる内容だと思う。
2001年元日というまさに21世紀の開幕にフジテレビで放送され高視聴率をマークした今作。2008年にはドラマレジェンドスペシャルとして再放送されたのも覚えている。
恒例のオープニングを経て、迷える子羊として教会に駆け込んだSMAPの5人が神父さん(=ストーリーテラーのタモリ)の元に懺悔しに行くプロローグがまず良い。この入りがもう『世にも奇妙な物語』っぽくてワクワクする。演出も洒落ているし。
香取慎吾主演「エキストラ」は一発目から容赦しないと言わんばかりにゾクッとさせられるエピソード。自分の人生が全て台本に書かれてある通りだったとしたら怖いってもんじゃない。
草彅剛主演「13番目の客」は世にもファンの中でも語り草になっている名エピソード。鎖に繋がれた犬と放し飼いの犬ではどちらが幸せかという冒頭のストーリーテラーからの問いには今でも考えさせられる。我々の生きる社会は思っている以上に混沌としているのかもしれない。
木村拓哉主演「BLACK ROOM」は不条理な世界観でシュールの極致!絶妙な間の取り方と後半のジェットコースター展開に翻弄されること間違いなし。
稲垣吾郎主演「僕は旅をする」はまるで一本の短編映画を観ているかのような感覚に陥るくらい質感がいい。ミステリアスな世界観にも惹き込まれる。オチがちょっと衝撃。
中居正広主演「オトナ受験」はこれぞ世にも王道エピソード。二転三転するストーリーは観ていて面白い。まあ資格・免許の類は持ってるに越したことはないってことで。ちなみに、この話だけ最後に出る番組ロゴの赤字部分が・・・。
個性豊かな5人の演技がそれぞれの物語にピッタリハマっているところも素晴らしい。また、その脇を固める役者陣も矢田亜希子や大杉連*1、樹木希林に広末涼子といったフジテレビらしい豪華なキャスティングで申し分ない。
珍しく初期のようにタモリが各話にカメオ出演するのも見どころの一つ。
SMAP5人の光る演技と『世にも奇妙な物語』の醍醐味を一気に楽しめる上質なドラマである。
*1:『世にも奇妙な物語』最多出演の役者さんという話もある。