TBSで『夜行観覧車』というドラマが再放送していたので、録画して一気に視聴した。
高級住宅街で起きた一つの殺人事件をきっかけに、日常が一変していく二つの家族を描いたサスペンスドラマである。
息つく暇もないスリリングな展開の連続と、キャストによる鬼気迫る演技に最後まで圧倒された。
連続ドラマとしてはなかなかのクオリティ。
湊かなえ氏の同名小説をいい塩梅にドラマ化していたと思う。
劇中では過去と未来が複雑に交錯していくが、それを観覧車の完成度に見立てて巻戻しor早送りする演出が光っていた。
硬派なサスペンスドラマというよりは、どちらかというと社会派人間ドラマである。
実際、終始視聴者を弄ぶかのようにどんでん返しが行われるものの、事件の顛末は単純だと言える。
とにかく、ほんの少しの綻びが一気に広がっていく様は恐ろしい。
登場人物の中で明確な悪意を持った者など一人もいないわけで、それがまた歯痒い。
「もし自分がこの登場人物だったらどうするか?」と想像しながら観るのも一興である。
どんなことが起きようとも、日常はまるで観覧車のように休むことなく動き続けるのだ。