昨年12月に発売したPS4用ソフト『龍が如く6 命の詩。』だが、年明けあたりにクリアしてプラチナトロフィーを獲得することができた。
プレイを終えての感想としては、まあその、最後まで楽しめたと言えばそうなのだけれど、桐生の最終章として本当にこれでいいのだろうか?と少々疑問符がつくような内容だった。
恐らく、今まで『龍が如く』シリーズを熱心に追いかけてきた人ほどこのラストには納得いかなくてやるせない気持ちになったと思う。命の詩・・・これが命の詩なのかそうなのか。今まで桐生がやってきたことは何だったのかって話ですよ。とにかく遥の傍若無人ぶりがヤバかった。こいつのせいでどれだけの人間が血を流したと思ってるんだ!(遥のことを"こいつ"呼ばわりするくらいなので察してください)
とはいえ、裏社会の陰謀渦巻く話はやっぱり続きが気になってしまったし、広瀬一家の人懐っこい感じも嫌いじゃなかった。ビートたけし演じる広瀬の親分のあの腹の底がなかなか見えないキャラクターが良かった。あと宮迫こと南雲が終盤あんなにカッコよく見えるとは思わなかった。
PS4に特化した新たなゲームエンジンということで、シームレスで色んな建物に入れるようになったのは良いことだったが、あのビルとビルの隙間を通り抜けたり屋上で何かガチャガチャ障害物を飛び越えたりするギミックは正直要らなかった。せいぜいトラブルミッションで消火活動するときに機能したってぐらいだった。
コンビニの中で喧嘩してメチャメチャにした後で店員から出禁を言い渡されるのは面白かったけど、その肝心のバトルは全体的にもっさりとしたテンポになっていたので残念だった。リアリティを追求した結果なんだろうけど、段々やっていくうちにもっさり感が出てきて興醒めしてくる。で、最終的に拳よりも武器が強いってことに気付くのだが、過去作で当たり前のようにできていた武器の着脱が廃止されているので、落ちているものを拾って殴る、のパターンしかなくなってしまった。なんでチャカの一つも装備できないんだよ。街のチンピラどもですら普通に撃ってくるのに・・・。
シリーズ恒例のサブストーリーは今回もバラエティに富んでいて、思わず本編そっちのけで攻略してしまった。ポケサーファイターのやつとかお気に入り。だが、如何せん数が多くないのですぐにコンプできちゃうのが惜しかった。これも全編フルボイスにしたことによる弊害だろうか。
アドベンチャー要素に関しても、シリーズ最大級を謳っていた割には物足りなかった。特に楽しかったのはスナック遊びぐらい。クランクリエイターは「三国志大戦」っぽくて最初はハマったものの、後半は作業化していた。
過去シリーズで当たり前のようにできていた将棋やボウリングなどがちゃっかり消滅していたのも悲しかった。それらを削ってまでゲーセンで「バーチャファイター5FS」や「ぷよぷよ」をプレイさせたいのか・・・?
キャバクラはまあ可もなく不可もなくと言ったところ。アフターがカラオケとダーツだけってのは結構寂しかった。
RIZAPの蛇足感は否めなかった。
ちなみに、総プレイ時間は55時間程度だった。『龍が如く0』で150時間近くプレイしたと考えるとこれはボリューム不足と言わざるを得ない。
とにかく、全体を通して力を入れる部分を明らかに間違えていたというか、ユーザーが求めているものへの理解が及んでいなかった印象を受けた。一応プラチナトロフィー取るまではやったけど、『龍が如く』ってこんなんだっけか?最終章でこの出来か?と何だか煮え切らないものを抱えたまま終わってしまった。
初のPS4独占プラットフォームだったが、ノウハウがない状態で無理して最終章をやるからこんなことに・・・としか言えない。
今後の展開がどうなるか知る由もないが、なんだかんだ言って『龍が如く』大好き人間なのでまた新作出たら買っちゃうんだろうな。