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星野源のひとりエッジ in 武道館 ライブレポート

2015年8月12日・13日の2日間開催された、星野源日本武道館ワンマンライブ
星野源のひとりエッジ in 武道館」。

単独の武道館公演は2014年2月以来2度目のこととなる。自身のワンマンライブは同年12月開催の横浜アリーナ2Days公演以来。

 

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今回、初日に行ってきたのでその模様をレポートする。

 

“ひとりエッジ”(ひとりエッチじゃないぞ!)と銘打つこのライブは、全編一人っきりで弾き語りのスタイル。だけど彼らしく色々と仕掛けも有り。

ステージは武道館アリーナの中央に設けられ、そこに1本のマイクスタンドが設置されていた。

四方の客席でステージを取り囲むような形。

 

19時開演の予定だったが数分押してのスタート。ゆっくりと登場した星野が、おもむろにギターを持ち、「バイト」を弾き語りし始める。“殺してやりたい人はいるけれど”という毒のある歌い出しが特徴のこの曲から始めるとは、結構攻めていたと言える。

 

そして「ギャグ」と続く。最後のサビ前でギターのピッキングを一旦やめて声だけを武道館に響かせる場面があり、これがなかなかシビれた。CD音源以上に熱のこもった歌い方だった。

 

続けて「化物」「ワークソング」と3rdアルバム「Stranger」に収録の鉄板ナンバーで会場を盛り上げる。この2曲でもジャカジャカというギターのカッティングが小気味よく聴けた。

地獄でなぜ悪い」では、あの不穏なイントロを一本のギターで荒々しく再現。転調がカッコよい。

 

MCでは「暑いので具合悪くなったら無理しないで近くの係員に言うように」と星野のささやかな気遣い。

なぜか係員が屈強であることを強調しつつ、「そこから恋が始まればいいさ」と胸キュン的な発言も。

 

そして、星野は自身の若い頃の話をし始める。気になっていた女の子に何度も猛アタックするも拒否されちゃうエピソード。ある日部屋で思いっきりその子を押し倒し抱きついたら、ビリビリTシャツを引き千切られるくらいのリアクションで「それを待っていたのよ!」と言われるという熱いオチ。

以上の盛大なフリを踏まえ、「そんなあの子は・・・そんなあの子は、」で「透明少女」。お馴染みNUMBER GIRLのカバーを披露し、刹那的なひと夏の想い出を彩る。

ちなみに、その“透明少女”は現在二児の母らしい。

 

2度目の資生堂タイアップとなった新曲「Snow Men」も一人で演奏。

雪が降り積もっていくかのような鮮やかな照明で涼しげな気分に。歌っているのは星野源か、あるいは雪男か。音源化が待ち遠しいところである。

 

幻想的な雰囲気が作り出された後は、これまた弾き語りが似合う「フィルム」。自然と手を叩きリズムをとりたくなる。バンドサウンドとは一味違った「Crazy Crazy」も新鮮であった。

 

本人が一度ステージを去ると、すっかりお家芸…ではなく人気者となった“ニセ明”が映像で登場。ニセさんをひとりエッジのステージに何とか呼ぶことはできないものか?とスタッフ(もちろん山岸聖太)が交渉するという内容。「当日潮干狩りの予定が…」とか、「コンビニのシフトが…」とか、何かとスケジュール的に厳しいことをアピールするニセ明とそれを説得するスタッフのやり取りがシュールな笑いを生み出す。

 

再び星野が登場したステージには、星野が以前暮らしていた六畳一間の自宅を彷彿とさせるセットが出現。なお、本人曰くちゃぶ台は実際用意されたセットほどデカくはなかったとか。

エロ本を軽く読もうとしていかんいかんと我に返る一幕もありつつ、座布団にあぐらをかき歌い始めるは「ばらばら」「くせのうた」といった歌手活動初期の名曲たち。会場全体を優しく包み込んでいく。

 

続けて、仕事をしている人に分かっていると唸らせた「営業」、シャワーを浴びているときにメロディーが降ってきて全裸で曲を書き上げた(この制作秘話は以前NHK「LIFE!~人生に捧げるコント~」でも話していた)という「くだらないの中に」を披露。

 

ここまで完全に一人で色々とやってきた星野だったが、やはり一人だと寂しいとこぼす。すると突然舞台袖から神木隆之介が登場し、観客が一斉に驚く。スペシャルゲストの御出ましである。

ドラマ「11人もいる!」などで共演し、親交の深い二人が、武道館の真ん中でゆるくトークを交わす。

神木が「SUN」を散歩中によく聴いているという話などが飛び出した。

 

神木に羊羹を食べてと星野が促しつつ、そのまま二人向かい合う形で「老夫婦」を歌い始める。曲終盤のラララ~部分を無茶振りでいきなり神木に歌わせようとするくだりが面白かった。神木のリアクションからも察したが、打ち合わせにはなかったらしい。

 

まさかの来客で会場が湧いた後は、「Night Troop」。高弦の音が気持ちいい。「レコードノイズ」では哀愁を誘うサウンドを鳴らす。考えるよりは感じる歌なのだと再確認できた。

 

再び“ニセ明”が織り成すシュールな映像が流れ、ライブは終盤に差し掛かる。

緑のスーツを着た星野がラジカセ片手に登壇。その音を重ねるためだ。まずは「マッドメン」でギターを派手に鳴らす。

次は、皆に踊ってほしい曲ということで「海を掬う」。宅録の曲も武道館ではまた映える。

 

ライブも佳境を迎える頃、突如としてドラムセットがステージ上に現れる。星野がこのドラムを自ら叩いた上でその音を録りループさせるという粋な試み。

「いち に さん」の後に、ダンスミュージック「桜の森」。これまた踊らずにはいられない。

 

最後はやはり「夢の外へ」。弾き語りは、アネッサのCMで流れたアコースティックバージョンを彷彿とさせるのでこれもたまらなく良い。会場のボルテージが最高潮に達したところでテープ発射!

大盛り上がりの中本編終了。

 

アンコールの幕開けはお馴染み寺坂直毅のナレーションで。“自宅のWiiカラオケで練習した曲”を披露してくれるのはあの人しかいない!ということで、ニセ明もとい“ブランニューニセ明”が華々しく現れ「君は薔薇より美しい」を歌う。今回もアクロバティックな歌と踊りで観客を魅了した。

 

1万3千人の観客の前で恥じらいながら生着替えをして星野源に戻り、最後に歌うは「SUN」。

このライブの最後に相応しいソウルフルな最新曲を弾き語りで届けて、“すべては思い通り”な武道館ワンマンライブが終演。

 

「武道館で一人で遊ぶ」ことが今回のライブのテーマであったが、彼は見事にそれを成功させたと思う。

ひとりエッジ、最高に楽しかった。映像化にも期待している。

 

【2015年8月12日「星野源のひとりエッジ in 武道館」セットリスト】

01. バイ
02. ギャグ
03. 化物
04. ワークソング
05. 地獄でなぜ悪い
06. 透明少女
07. Snow Men
08. フィルム
09. Crazy Crazy
10. ばらばら
11. くせのうた
12. 営業
13. くだらないの中に
14. 老夫婦
15. Night Troop
16. レコードノイズ
17. マッドメン
18. 海を掬う
19. いち に さん
20. 桜の森
21. 夢の外へ
<encore>
22. 君は薔薇より美しい
23. SUN